放射光を使用したPDF解析は結晶のように規則的に並んでいない"乱れた"材料(ガラス等)の構造を調べる有力な手法の一つです。この乱れた材料系は、エネルギー材料や触媒、医薬品など幅広い分野で重要な役割を果たしています。
自動化と高速化によるX線全散乱法/PDF解析の高速測定の実現に取り組んでいます。従来は2-3時間程度必要だった測定時間が10分程度まで短縮され、1日100検体以上の測定が現在では実現しています。 (H.Yamada et al., submitted (2025), H. Yamada et al., J. Synchrotron Rad. 29, 549 (2022))
PDFやデータ融合により、無秩序材料の局所構造と物性の相関を解明する研究に取り組んでいます。機械学習ポテンシャルと逆モンテカルロ法を組み合わせた新しい構造モデリング等、先進的な解析手法の開発も行なっています。 (H. Yamada et al., Energy Environ. Mater.7 ,e12612 (2024))
X線全散乱法/PDF解析や異常散乱を組み合わせ、水熱条件下での非晶質の前駆体からゼオライトの結晶化が起こるまでの構造変化の過程を観察しています。水熱合成のin situ条件下での放射光解析等の先進的なアプローチにも取り組んでいます。 (H. Yamada et al., J. Phys. Chem. C 123, 28419 (2019), H. Yamada et al., J. Phys. Chem. Lett. 14, 3574 (2023))
NRID掲載の研究課題